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八王子ファッション協議会

   4月は総会の季節である。新年度を迎え、様々な団体が総会を開く。今月は、あと10件ほど総会に出席し、これから自分が中心となって開かなければならない総会が2つある。

  今日は、先ほどまで八王子ファッション協議会の総会に出ていた。八王子は古くからの織物の産地で、かつては男物の着物やネクタイの産地として織物産業が街の経済を支えていた。全盛期には織物関連の税収が市税収入の大きなウエイトを占めていたとのことだ。

  かく言う自分も、織物業の2代目の家に生まれ、小さな頃は反物を丸めて遊んでいた。本来であれば3代目としてきもの生地やネクタイをつくっていたはずである。我が家は自分が小学校低学年まで工場で機を織っていたが、当時は、朝7時を過ぎると織機の音がして一日の始まりを感じたものである。小学生の時に近所で最後まで残った織物工場が操業をやめ、静かな朝を迎えた時はとても違和感を感じたものだ。

  時代の流れで、八王子の織物産業は衰退の一途を辿り、現在は往時を偲ぶこともできない状況だが、今も織物の産地で繊維に関わる意欲的な職人の集まりがファッション協議会だ。

 自分は年1度の総会と忘年会程度しか顔を出さない飲み会要員なのだが、会員は八王子市内のみならず、市外、区部の方も多く、業種は、織物、編み、染色作家、加工、縫製、企画、デザイン、ショップ、大学教授、専門学校、ジャーナリストそして市議と多彩である。これらの人々のネットワークを通じて展示会や製品の研究、情報交換がおこなわれ、産地八王子を中心としてファッションを盛り上げていこうと熱気のある活動をしている。

  もはや昔日の影はなくなった八王子織物ではあるが、伝統と技と人の蓄積を有する産地として、今織物にかかわる人たちが集い、新たなファッションの波を起こすことができればすばらしい。

  ところで、市内明神町にある都立産業技術研究センターが平成21年に立川へと移転する。ここは繊維試験場時代から、様々な織りや染めの技術が研究されてきた。今でも大変素晴らしい設備を有している場所である。移転がやむを得ないのであれば、市が中心となって産業やファッションの振興に資する跡地活用を図るべきではないか。機屋の血が流れる者として、八王子が新たな時代にファッションの情報発信地、産地として飛躍ができるよう力を尽くしたい。

  しかし、協議会の総会は皆、シックでおしゃれな装いの人が多い。自分の手によるセーターやジャケットをセンス良く着こなしている。ビジネススーツの自分がちょっとかっこわるく感じられた場であった。

 

  

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