« どんな時が? | トップページ | 「ウエブ進化論」 »

2006年4月13日 (木)

げに移ろい易きは…

 11日、衆院千葉7区の補欠選挙が告示された。元はといえば、昨年の9.11郵政選挙で圧勝した自民小泉チルドレンの松本和巳前衆院議員の選挙違反による辞職が原因だ。自民党、民主党がそれぞれ候補を立てて総力戦の様相である。

  告示日のニュースでは、民主党が小沢新代表への期待感から支持率もUPし、補選も攻めのムードが出てきたような報道ぶりだ。一方、自民は小沢民主の脅威のもと危機感がでてきたとのことである。

  それにしても、昨年の郵政解散以降の政局は、まるでオセロゲームのようである。選挙後は衆院で2/3の議席を有する巨大与党の誕生と小泉人気に、次の国会に政府は何でもできる力を持ったように思われたし、報道は「この数を背景に、本格的な改革の実行を期待するといったものか、これは大変だ、勝たせ過ぎた」といった論調だった。

  ところが、通常国会が始まると耐震偽装事件やBSE問題などの4点セットや皇室典範改正問題で政府は行き詰まり民主党が勢いを得た。この流れも永田ニセメールにより一挙に逆転、民主党は崩壊の危機に晒され、報道も連日厳しいコメントを掲載し、世論も民主党を見放した。新聞は補選候補を公募した自民党に221人もの応募があり、第2の杉村大蔵を夢見る若手から官僚まで自民党からの出馬を目指す動きが止まらない、と伝えていた。

 そして、冒頭の告示日の状況である。オセロが白から黒へ、再度、黒から白へとパッパッと変わるような移ろいである。短期間に一つの出来事をきっかけとして、報道が火をつけて変わる。移ろいやすいのは…政党か、政局か、世論なのか。近年の日本政治は小選挙区の下で益々この傾向が強まってきているように思える。

 そう言うわけで、オセロがどっちにひっくり返るのか、23日の投票日まで何が起こるか分からない。

  そういえば、昨年の郵政民営化選挙では、自民党ははじめから郵政民営化に賛成だった訳ではない。地方組織は反対が多く、反対が正義の論調だった。実際、選挙少し前には東京都議会、八王子市議会含め、各地方議会が郵政民営化に慎重(実質反対)という意見書を自民会派主導でいくつも提出していた。

 八王子市議会でも、当時、郵政民営化に慎重(実質反対)の意見書を出そうと会派で話が出た。その時「もともと郵政民営化賛成だから、この意見書は出すべきでない」と言ったのは、私ともう一人の議員だけだった。結局、会派の大多数が賛成なのだからと押し切られたが。

  その後、9月の選挙時には郵政民営化賛成にあらずば人にあらずの雰囲気の中、反対意見書を推進した全員が、根っからの郵政民営化論者のように振舞っていた。 

|

« どんな時が? | トップページ | 「ウエブ進化論」 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: げに移ろい易きは…:

« どんな時が? | トップページ | 「ウエブ進化論」 »