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2006年9月13日 (水)

介護

  今回、一般質問をする関係で、桝添要一『母にむつきをあてるとき』(中央公論社)と一関開治『記憶が消えていく アルツハイマー病患者が自らを語る』(二見書房)を読んだ。

  母に…の著者桝添氏は国際政治学者で現在参議院議員。北九州の実家で実母の介護の実践記で、実の兄弟との介護を巡る争いを含めた実体験を赤裸々に書いている。出版当時は介護保険法の成立前夜の時期であるが、今もここに書かれている介護を巡る問題は、本質的には変わっていない。当時、桝添氏と介護という一見ミスマッチな事もあり話題を呼んだ書である。

 これから、ますます高齢化が進み、介護の問題が身近なものとなる中で、本人の人権や幸せとともに介護家族の負担(時間、労力、経済面)を減じることは政治の課題である。最終的には、自分も周りもいつかはそのような時が来るという前提のもと、そうした体制づくりに税金の使い道をシフトすることへの合意を得ることが肝要だが、そのような時代になってきていると思う。

   記憶が消えていく…の方は、一面のひまわりで有名な北海道北竜町の町長一関開治が、町長在職中53歳の時に若年性アルツハイマーを発症し、2期目途中でそのことを世に告白し、町長職を辞しての闘病記である。

  こちらの方は、自分と同じ地方政治に関わる方の実話ということもあり、ショッキングなことである。が、若年性アルツハイマーという病も、なってしまう可能性はある。一般の認知症以上に本人も家族も大変で、現時点で社会的にフォローする体制も不備で、個人の忍耐と努力で介護を続けざるを得ないような状況にある。

  2日後には質問という段階になっても、これらの本を読んでいたのだが、それぞれに考えさせられ参考となった。  

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