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2010年2月28日 (日)

新聞投書から

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2月22日の朝日新聞への投書。

家にも犬がおり、子ども達に読ませました。

以下転載。投書の主は東京都八王子市の主婦 鈴木ナミさん(83)

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戦前の春、私は八王子市役所職員として勤め始めた。空には敵機B29が飛び回っていた。私たちは土地台帳や家屋台帳を、近くの倉庫に運び込むのが仕事だった。

月1度、軍の命令で犬の献納日があった。毛皮増産などの目的で飼い犬を供出させるというのだ。庁舎の裏庭には泣きながら愛犬を連れてきた人が列をなしていた。職員が机を並べて受け付けるのだが、名前を書く人の涙でインクがにじみ、彼らは何度も書き直していた。

係員は犬を飼い主からもぎ取るように手放させた。木の箱にぎゅう詰めされた犬は飼い主の見えないところで引きずり出され、高々とつるされた。そして木の棒で数回叩かれ、声もなく死んでいった。

飼い主の泣き声。高く積まれた犬の死骸。何とも不気味な光景だった。愛犬の最期を飾ろうと飼い主が付けたリボンや兵児帯も、無惨にも泥にまみれ散らばっていた。献納を逃れるため押し入れや防空壕に犬を隠す人もいた。戦争は人間だけでなく馬も犬も犠牲になるのだ。

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