統一地方選総括
4/12投票の統一選前半戦、4/26投票の統一選後半戦が終了しました。
今回の統一地方選挙、どんな傾向であったのでしょうか。
前半戦は、知事選、県議選や政令市の市議選ですが、知事選を除くとこれらは中選挙区で実施される選挙です。後半の一般市の市議や東京都の区議選は所謂大選挙区で実施される選挙です。
選挙の性質からは、県議選、政令市議選は、最低得票すべき得票ラインが高く、政党選挙の様相をより呈します。
一方、一般市及び区議選は、数十人を選ぶ選挙であり、最低当選得票ラインは数百票~三千票程度となり、政党候補以外でも受かり易い選挙であると言えます。
そのため、前半戦は、より、国政状況や政党の勢を反映したものとなります。何時の地方選挙も、その時々の政治状況、政党状況を反映したものとなりますが、地方選が行われる「場」は、保守に風が吹く場合、その逆、変革を求める空気、その逆など一定の傾向があるように思われます。
今回、全般的傾向としては、まず、今の国政状況を反映して基本的に自民党への追い風という流れがありました。
国政野党第1党の民主党は政権を担った時の国民からの不信感を払拭できず、反あるいは非自民の受け皿とはなれない状況がいまだ続いています。
さらに、旧みんなの党を代表とする所謂第3極も党内のゴタゴタの連続から解党へと至るなど、国民の期待感は萎み、頼むに足る存在とは見なされなくなりました。維新の党も大阪以外は勢がなく支持の広がりを欠きました。
この結果、安定した政治運営を求める層は自民党に、今の自民党(安倍政権)のやり方に不安を感じる層や批判票は、安全保障政策等、自民の対局のわかりやすいスタンスの共産党に流れる構図となりました。
各地で、自民候補が安定的に上位当選し、民主候補は苦戦(勝っている候補も中位から下位、組合組織などをしっかりと押さえた候補でしょう)。元みんなの党のほとんどの候補は、4年前から大幅に得票を減らし、惨敗ともいうような結果で政治の現場から去っていきました。
後半戦は、前半戦ほどには政党の影響を受けない、というより、個人としてしっかりと議員活動や政治活動をしていた候補は自力で勝ち上がっています(得票数が県議選より相当に少なくて済むため)。
地元八王子について言えば、やはり、全体的に自民党への追い風があり、改選前より6人多く立てた16人の候補中14人が当選しました。しかも、それぞれの候補に追い風分が上乗り、得票を大きく伸ばし上位での当選を果たした候補が多くいました。
自民批判票の受け皿となった共産党は5候補全員が当選し、いずれも得票を大幅に(1000票以上など)伸ばし、上位での当選を果たしています。
ネットの2候補も各4500票程度以上を得票し前回より上位での当選となっています。
前回から候補者を絞り4名の候補で臨んだ民主党は、現職3名が当選。それぞれ数百~千票以上得票を伸ばし、候補絞り込みが奏功しています。
2名の組合系候補は前回に引き続き得票を減らし、2000票代での当選となり、組織力の低下が伺われます。
最低3000票程度をとらなければならない八王子市議選で、特に、今回のように、強気の責めの組織選挙を展開した自民、共産、守りの選挙に徹した民主党(結果として公明党も)に対して、無所属候補には極めて厳しい戦いとなりました。
変革よりも安定や継続を求める雰囲気の中での、政党看板を背負候補同志のせめぎ合いが今回の八王子市議選でした。
そうしたなかでも、同一カテゴリーの候補でも得票に大きな違いが出ているのは、やはり、候補者個々人の資質やその候補の持つネットワークの差ではないかと思います。
私にとっては、大切な3名の同志が当選に至らず、完敗、大変に厳しい結果となりました。大きな痛手です。
選挙は勝負事であるので、結果は白黒どちらもあり得る訳ですが、改めてその厳しさを知ると共に、自らの力不足を痛切に感じることとなりました。この結果を受けて今後、自らも政治的な決断を迫られることとなるでしょう。
統一選を終えても、民主党政権下での未熟で不安定な政治に懲りた国民・有権者が、それに比較して安定した自民党の政権運営を是とする空気は続きそうです。これまでの経緯から改革の訴えも有権者にはあまり響かず、第3極勢力は、もはや歴史的使命を果たし終えたのかも知れません。
しかし、政権に対する健全な対抗勢力(小選挙区制の下では政権を担いうる現実的な野党)が存在することは必要なのであり、自民党に対抗しうる、しっかりとした第2極が育っていくことが日本の政治に求められているのだと思います。
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