安保関連法案 衆議院通過
安保関連法案が衆議院を通過しました。
地方議員の立場として、イデオロギーチックなこの問題には積極的には発言をしないよう控えてきました。
こうした問題では、それこそすぐに「あいつは改憲派だ」とか「あれは左だ」などと頭から決めつけてくる人が多いからです(決めつけや感情論は思考停止と同じです)。
しかし、日本の将来に重要なことがらについて何も語らぬ、というのもいかがと思い長文書いています。
今回、集団的自衛権行使容認の閣議決定(憲法解釈により集団的自衛権行使は可能とする)を経て、10法案が安保関連法案として衆議院を通過しました。
ところが、将来の日本の安全保障に何がプラスで何がマイナスなのか議論は深まらず、国民的な合意点が見出せないまま結論だけが出されているように感じています。
戦後のエポックを画す法案と言われますが、合憲・違憲の技術論のみが先行し、日本の安全保障をいかにすべきか、どうすることが「結果」として日本の安全につながるのかについての議論は殆ど深まっていません。
国会での採決風景も55年体制の時代と錯覚するようなものでした。
日米同盟を深化させることが 不安定化する東アジアの中での日本の安全保障に資することなのか。
それとも、逆に 現行憲法の制約こそが平和日本のイメージを世界に形創っているのであり、日本の安全保障に必要な戦略なのか。
はたまた、冷徹な外交や安全保障の世界では、そのようなことは現実を見ていない空論なのか。
データや証拠に基づいて説得的な議論が欲しかった。
こうした事を各政党は徹底的に議論し、世論を巻き込み、その上で日本の選択が為される、そのような大テーマであると思います。
将来の日本の平和や安全につながることですから、「良い結果をもたらす」ことこそが重要です。理念やべき論ではなく、何が本当にプラスなのか。
その意味で「切れ目のない対応」が必要との安倍総理の姿勢は、アメリカの期待に応えようという前のめりな姿勢が感じられ、その結果とった今回のようなやり方が「良い結果をもたらす」のか疑問です。
一方で、「憲法違反」「戦争反対」だけの野党も手続き論ばかりで、どうやって将来にわたり日本の平和と安全を確保していくのかについて思考停止しているように思えます。
そもそも、立場によらず誰だって戦争には大反対なのですから。
今回、与党は数を頼りに拙速に国民的議論が不十分なまま違憲性の高い法案を通し、野党は反対姿勢を世の中にアピールできたと悦に入り、これから本質的議論抜きで日本の安全保障の舵が切られていくことになります(参議院はこれからですが)。
正面から憲法について問うて、政治が論点をだしきって、十分な国民議論のなかで方向性をだしていくことこそが、本来、今の日本に必要ではないかと感じています。
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