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2015年7月

2015年7月18日 (土)

安保関連法案 衆議院通過

安保関連法案が衆議院を通過しました。

地方議員の立場として、イデオロギーチックなこの問題には積極的には発言をしないよう控えてきました。

こうした問題では、それこそすぐに「あいつは改憲派だ」とか「あれは左だ」などと頭から決めつけてくる人が多いからです(決めつけや感情論は思考停止と同じです)。

しかし、日本の将来に重要なことがらについて何も語らぬ、というのもいかがと思い長文書いています。

今回、集団的自衛権行使容認の閣議決定(憲法解釈により集団的自衛権行使は可能とする)を経て、10法案が安保関連法案として衆議院を通過しました。

ところが、将来の日本の安全保障に何がプラスで何がマイナスなのか議論は深まらず、国民的な合意点が見出せないまま結論だけが出されているように感じています。

戦後のエポックを画す法案と言われますが、合憲・違憲の技術論のみが先行し、日本の安全保障をいかにすべきか、どうすることが「結果」として日本の安全につながるのかについての議論は殆ど深まっていません。

国会での採決風景も55年体制の時代と錯覚するようなものでした。

日米同盟を深化させることが 不安定化する東アジアの中での日本の安全保障に資することなのか。

それとも、逆に 現行憲法の制約こそが平和日本のイメージを世界に形創っているのであり、日本の安全保障に必要な戦略なのか。

はたまた、冷徹な外交や安全保障の世界では、そのようなことは現実を見ていない空論なのか。

データや証拠に基づいて説得的な議論が欲しかった。

こうした事を各政党は徹底的に議論し、世論を巻き込み、その上で日本の選択が為される、そのような大テーマであると思います。

将来の日本の平和や安全につながることですから、「良い結果をもたらす」ことこそが重要です。理念やべき論ではなく、何が本当にプラスなのか。


その意味で「切れ目のない対応」が必要との安倍総理の姿勢は、アメリカの期待に応えようという前のめりな姿勢が感じられ、その結果とった今回のようなやり方が「良い結果をもたらす」のか疑問です。

一方で、「憲法違反」「戦争反対」だけの野党も手続き論ばかりで、どうやって将来にわたり日本の平和と安全を確保していくのかについて思考停止しているように思えます。

そもそも、立場によらず誰だって戦争には大反対なのですから。

今回、与党は数を頼りに拙速に国民的議論が不十分なまま違憲性の高い法案を通し、野党は反対姿勢を世の中にアピールできたと悦に入り、これから本質的議論抜きで日本の安全保障の舵が切られていくことになります(参議院はこれからですが)。

正面から憲法について問うて、政治が論点をだしきって、十分な国民議論のなかで方向性をだしていくことこそが、本来、今の日本に必要ではないかと感じています。

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2015年7月12日 (日)

多摩都市モノレール(八王子ルートについて)

先日の都知事定例記者会見で「広域交通ネットワーク計画のまとめ」が発表されました。これは今後15年間の東京圏の鉄道網のあり方を決める国の交通政策審議会の本年度中の答申に向けて都の考えをまとめたものです。


☆ 平成27年7月10日 東京都知事定例記者会見
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2015/150710.htm
☆ 交通ネットワーク計画について交通政策審議会答申に向けた検討のまとめ》平成27年7月東京都http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2015/07/DATA/40p7a100.pdf


前回答申(期間平成12~27年)では、①平成27年までに開業すべき路線、②平成27年までに着手すべき路線、③今後整備を検討すべき路線の3つの整理が行われ、現時点で①については、ほぼ完了となっています。

都の「まとめ」に位置づけが得られれば、ほぼ国の審議会答申に盛り込まれ、実現化することになります。そ
んなわけで、新聞各紙ともこの「まとめ」を取り上げています。特に今回の目玉は都心部と臨海部、都心部と品川を結ぶ新線構想です。

☆ 「都、臨海部と品川に新線構想」 平成27年7月11日 日本経済新聞 

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO89169740Q5A710C1L83000/

東京都は10日、臨海部と品川にそれぞれ地下鉄新線を整備する構想を正式発表した。都内の鉄道網の将来像を示す広域交通ネットワーク計画に盛り込み、月内に国に提案する。東日本旅客鉄道(JR東日本)の羽田アクセス線など5路線は同計画で「優先的に検討すべき路線」と位置付けた。都はこれらの鉄道網について、2020年の東京五輪前後の早期開業を目指す。~


ところで、私たちの多摩都市モノレールについては、箱根ヶ崎ルート(立川~箱根ヶ崎)、町田ルート(立川~町田)と八王子ルート(立川~八王子)で明暗が分かれてしまいました。

箱根ヶ崎ルート、町田ルートについは「整備について優先的に検討すべき路線」と位置付けられた一方で、八王子ルートについては「整備について「検討すべき路線」とのワンランク下の位置づけが与えたれたのです。
特に前回答申では、町田ルート、八王子ルートともに「今後検討すべき路線」であったものが、町田ルートだけは1歩前進してた形となり、次の15年は町田ルートの整備が図られることとなります。

この結果、箱根ヶ崎~立川~町田のモノレールルートが完成すれば、多摩地域の南北の移動条件が向上し人の流れが大きく変わっていくことが予想されます。

都の最終的な「まとめ」が公表された段階では、住民への署名を求めるなど徒に期待だけを煽るような方法から、現実を受け止めた上で将来の八王子のあり方を考えるような発想の切り替えが必要と感じています。

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